強さは善悪を保証しない

文字化化はエンディング10個くらい見ましたが疲れてきました。分岐点と思われる部分にすぐ移動できるシステムが便利ですが、前に見たルートに入ってしまってやり直し、またやり直し……とやるうちに本当に幽霊団地に閉じ込められたような気分になっています。ひとまず現在の進行状況のまとめをネタバレ沢山で書いていきます。

……もうどれが何のエンディングだったか分からんぞ。1は初対面の生首を助けず銀髪の男に何かされたED、3と4は這いばい男絡みでエレベーターから一緒に脱出するかしないかED(4が同棲っぽい雰囲気だった気がする)17か19のどっちかが赤い傘の男に追い詰められたところで隙間の男に助けられたベストオブ隙間だったような……?

長鉈男とはどうにか彼のやりたいことを汲み取れたので彼のルートエンディングを見ることができましたが、どうもゴールと言うよりは「彼との彷徨える日常は続く……」というように感じていまいち盛り上がらないと言いますか、ここまでに何度か襲い掛かってきた大きな顔を倒すことができたという山はあったもののその後が何とも淡々としているのはこのゲーム全体の味でしょうか。すでにこのリストだけではどんなエンドだったか思い出せないものの、他にも「よし、また出口を探しに行こう」という雰囲気で「ENDING No.〇〇」のようなテロップが挿入されがちなので不完全燃焼の繰り返し感があり……個別ルートが他に2人あるらしいんですが、長鉈男エンドの唐突感を思うとあまり期待できないのと何よりこの主人公きついなというので手が止まっています。

長鉈男は戦いを求め、強く大きくなって克服していく……というテーマがあると解釈しますが、もはやこれまでという場面で彼から血を分けてもらえるイベントが起きました。そのルート自体は多分何度も見たオチになったと思うのですが(記憶にない)、前回も書きました赤い傘の男を打ち倒すために足りないものがこれだったようで、おかげで赤い傘の男のグッドエンド(?)あるいは本筋のトゥルーエンドのようなポジションのScarlet rainに到達しまして、これが一番メインの物語として収まりが良い気がするので一旦ここで止めてもいいかなと思います。彼との言葉のぶつけあいバトル(ラップバトルみたいだな)ですが、ここで完全に相手に屈する選択肢を踏み続けると自分の世界が完全に彼に侵食されるような形のScarletellaエンドで、長鉈男の血を得て大きな顔を叩き潰したルートからの周回で言葉と物理で否定を叩きつけ彼の名前やら記憶やら――彼を彼たらしめるものを奪うと、こちらが赤い傘の男を侵食・掌握するScarlet rainエンド……のようです。

赤い傘の男は幽霊団地で趣味の人殺しをしていた(!?)主人公を見初めて自分の世界に引きずり込んだような雰囲気なので、エンディングの分岐点を考えると相剋するような対の存在なのかなあ……と思いました。でも自分が何者か分からなくなってしまった赤い傘の男に「名前をあげようね」って流れでデフォルトが「赤チャン」なのが本当に主人公そういうところが……サバサバしてると言えばしてるんですが、中盤以降言動の軽さがすごい。他者のことも軽んじている気がする、軽んじているから殺人もできたんでしょうかね? となるとやはり恋愛要素を見出すのは難しく……気まぐれに構ったり身勝手な愛着、それか利害関係がせいぜいで私が好む親愛や友愛恋愛の情はこの主人公は持ちえない気がしました。

エンディング収集どうしようね。

好きなシーン。迷い込んできた人間の男に「人間だ!」と嬉しくなって声を掛けたらこの顔ですよ。完全に異界側のモノと思われてますよこれ。この人無事に帰れるといいな……と思っていたらすぐこの人のコートを着たツギハギの男に会ったのでOh…となりました。まあ想像はしてましたよ。

駄目だ、赤い傘の男を本当に倒し切るには足りないんだ……前にできた、あの時は強く願った、そう強い思いが必要なんだ……! というモノローグで主人公が覚醒して一撃を叩き込むシーン。「強い想い…!!」じゃないんですよ全くもう。

これやっぱり恋愛ではないんじゃないかなあ!??