犬が無事ならそれで…

中断したゲームを寝かせて3ヶ月ですが何かゲームがやりたかったのでサクッと遊べるものをやろうということで「ウラヤマ」をプレイしました。ネタバレたっぷりです。

家の外の風景グラフィックが綺麗で、ヒグラシが鳴いていたりトンボが飛んでいるようなので夏休みですかね。主人公は学生……小学生の高学年か中学生くらいでしょうか? 父親と2人暮らしのようでしたが父親は帰りが遅くなる様子。とりあえず主人公はお腹がすいたので最近近くに来ている屋台のラーメンを食べて腹ごしらえ。

スープを残す健康意識の高い子です。えらい。

この後暇つぶしに遊ぶゲームが地味に操作が難しく、足場から落下してリトライを繰り返していたら何か赤い風景に変わり明らかにヤバそうな感じ。画面が歪むようなノイズも走り怖くなってきたところで「バグかな?」と電源を落とす冷静さ。こいつはやりますよ。

学校の裏山には幽霊がいるという噂があったり、行方不明の小学生を探す貼り紙があったり、警官がその子を探しての聞き込みに来たり不審者が夜に徘徊しているから気を付けるようにと告げていったり、ヤバい空気がぎゅんぎゅん高まります。

暗くなってきて怪しい影と言うかあからさまに怖い顔が窓からチラッと見えたりとヤバい気配が濃厚になるなかで警官との会話を終えてリビングに戻るとこれ。

おい! 窓の外にいるくらいでいいじゃないの! キッチンに勝手に入るんじゃありません! しかもこいつ主人公の部屋の中からこっちを見てたりもするんですよ安全地帯がない!……それとなんとなく行方不明の子に似て……? 嫌な予感しかしません。

ヤバいのが何度も姿を見せていて庭の小屋にいる犬が妙に吠えてる……って時点で犬の安否が心配すぎるんですが、無事でよかったです。何よりそれが安心しました。しかし飼い犬のポチは勢い良く外へと走り出してしまいます。そしてポチを追っていった先は立ち入り禁止の裏山。愛犬のためならエンヤコラ、主人公は果敢に立ち入り禁止のフェンスを越えて進みますが、赤い鳥居がいくつか並ぶ山道の途中で奇妙なノイズが視界に走ったり、例の怖い人影が立っていたり……。

アレッ赤と白の着物だと思ってたら違う!!? 何そのピッチリスーツ!? ひとまず害はないので進みm、ッギャアアアア!!!! ジャンプスケアやめなさいってまったくもー!

道の突き当りには寂れた小さな神社のお社が。中に入れてしまうので中を調べてみますが狭いので特に探す場所もなく、引き返そうとしたら……開かない! ヤバいなと思ってウロウロしていたらまたしても例の人影が窓から覗き込んでいたり、振り返ったら思い切り正面に立っていたりと一つ屋根の下。

このゲーム、扉を開けたり人に話しかける時にだけ赤い小さなクロスヘアが出現しますが少し分かりにくく、お社に閉じ込められたもののどうすれば脱出できるのかクロスヘアの見落としがないかウロウロしていたら突然床が崩れて地下へと落下。梯子があるのでもともと出入りできるよう床板が外せるようになっていたようです。……何らかの作業がしやすそうな机に、何らかのものが切れそうな包丁? ノコギリ? そして床に落ちたランドセルと赤茶けた滲み汚れの頭陀袋のようなもの(蝿などの虫がしっかり集っています)これはもうあれがああしてこうじゃん!!

慌てて脱出して元来た道を引き返そうとするとラーメン屋台の主人が。こいつ……。怪しげな質問に答えますが、ここで追いかけられるのを振り切って山道を出るところまで逃げられたら生還グッドエンド、捕まってしまうと首をゴキリとやられるような描写のあと場面転換で再びラーメン屋台に。(選択肢2を選んで捕まった時はデッドエンドでリトライになりましたが、選択肢1の秘密を知ってしまったための口封じがバッドエンドの条件でしょうか)

神社の地下の虫に集られた頭陀袋……良く切れそうな刃物……ラーメン屋の店主……。「うまかったか?」の質問。

……これ見よがしに置いてあった肉……あああ……_| ̄|○、;’.・

ミニゲームやクロスヘアの見落としなどで躓いたりあちこち歩き回りすぎなければ40分ほどでED回収できるでしょうか。シンプルでボリュームとしてはやや物足りないですが後味の悪さがベタながらすごかったですね。バッドエンドの方が映像だけの匂わせでゾクッと来る気がします。要所要所で出てきた怖い人影は行方不明になっていた子で、自分の遺体だけでも見つけて欲しかったのでしょうか。そう考えるとちょくちょく姿を見せつつ危害は加えてこない理由も分かりますし、赤と白の着物と見せかけてぴっちりスーツみたいな恰好だったのも服ではなくてむしろ脱いだと言うか剥いだと言うか……筋肉図の色合い……。一度すごい脅かしをしてきましたが、あれは主人公がラーメンを食べてしまって「おいしかったよ」と言ってしまったから……というのは穿ちすぎですかね?

一本道で捻ったところのない良くも悪くも素直な作りとストーリーのゲームでしたが、後味のじっとりした悪さはきれいなオチにまとまっていました。350円という値段相応にほどよく怖さとハラハラ感を味わえるのでサクッと遊ぶのに良いかと思います。