サイレントヒルf。
ま、待ってくれ私は先に進みたいけど「先に進む」が何を意味するのか噛み合ってないな?

どんどん現世で生きながら育んだ縁や思い出を捨てていってるんですが私はこの拝殿の仕掛けを解いて先に進みたいだけで決して友人を処刑したいわけでは……ええ……。

凛子の執着や恋心の強さの表れと言うかストーカー的表現の定番ぽくもありますが、たくさん描いてて微笑ましさや絵の上手さを感じる部分もあり……やっぱり向かって左向きが描きやすいんだろうな……わかるよ……でも正面とか横顔も描いてるのがえらいですよね。
手紙や学級日誌のヤバさは見なかったフリをします、そういうのは思ってても外側に出さなければセーフだと思うんですよね。でもきっと日頃の態度ににじみ出る部分もあったんだろうな……。
と言うかサイレントヒルの過去作を知らないもので、裏世界というものが主人公個人の精神世界なのか現実と対になる虚構の世界なのか、他者の描写については主人公の考えベースなのか実際にその相手の内心が表れているのか分からないんですが、

とんでもないことになってませんか!?
凛子そこまでか!? そこまで雛子が許しがたいか!? 雛子も淀みない動きで凛子を溶岩に沈めるんじゃあない!
敵に対してはウオオオオかかって来いやああと薙刀振り回したり刺したりできますがこのあたりの展開はうろたえつつ置いていかれっぱなしでした。凛子も命乞いを一切しない胆の据わりっぷりはどうしたことだよ。

あまりの暗さにびっくりして撮ったスクショ。片袖が破けているとこうして腕の白さで雛子の存在に気付けるわけですね。


ひ、雛子? 友達が真正面でめちゃくちゃ助けを求めてるけどいいのかい?? 確かに鍵は私も欲しいけども! あまりに凛子や咲子にノーリアクションで淡々と仕掛けを解きながら処刑していくので怖くなってきました。何と言うか、精神的なグロテスクさを感じるんですよね。君本当に深水雛子か?

やっぱり現世での一切を断ち切ってまっさらな体でお狐様にお嫁に行くんだよ的な話なんでしょうか。雛子が疑問を持たずに求められるままに断ち切って葬り去っていくのが「ひ、雛子……? 私が操作してるけどあなたが何を考えているのか分からないよ……?」とぞわぞわくる怖さを増します。

次は修に何をする気なんですか雛子さんよ……。この鞄のような道具はあれですね、植物標本を作るときに採取した植物をしまうやつです。違うかな。
子供のころに読んだ、何十年も前の子供むけの植物図鑑にこんな道具が紹介されていた気がします。
修も雛子の似顔絵を描いてましたが、描きたくなるものなんですかね。この頃だと写真ってそこまで鮮明なものがなかったり子供が自分用に持つこともなかったのかな。だとしたら、好きだなあと思いながらふとした一瞬の表情を思い出して描いていく様子も甘酸っぱくていいものですね(繰り広げられる惨状から目を逸らしながら)

?!!!!????
大がかりに過ぎる!! 地獄のアトラクションが止まらないじゃないですか、逆に咲子は普通に座敷牢だったのが不思議になってきました。お嫁に行くにあたっての障害になる度合ですかね……? ずっと一緒だと約束した友達の咲子と比べると、好意を持っているだろう異性の幼馴染である修は確かに「これから嫁入りする女子」にとって障害ではあるような。その修がどれだけ雛子を想ってきたかを訴えて断罪しようとする凛子も、彼女自身は雛子を憎んでいつつも修に利する形になるので障害になる……とか?
この仮定だと、たぶん凛子は雛子への攻撃として修の想いを持ち出さず淡々と修を奪ってしまえば見逃されるポジションだった気がしないでもないですが……ひたすら修が凛子に塩対応! これはダメだ、修に応えないまま修の心をとらえ続ける雛子を攻撃するのもやむなし!
あと凛子のアプローチの仕方も、わりと露骨に守ってほしいかよわい女を押し出している風なので多分修の好みに合わないんじゃなかろうか……私はいったい誰の味方をしているんだ。


言葉もなく淡々と始末するのでやっぱり雛子も正気じゃなさそうだなあと思うんですが、これは一体何が起きてるんですかね……?
修もこんな状況で雛子の選択を受け入れると言うのが謎だったんですが、生殺与奪を握られていると言うよりは、結局「嫁入り」の話……ですか……? 相棒には俺を選んでほしいけど無理強いはできないから、捨てられるとしてもその選択を尊重したいという。
女というざっくりした分類で扱われるのを嫌がる雛子に合わせてきた修なので、男女として自分たちを分断してしまう好意を伝えるに伝えられず最後までこうなってしまったという話なんですかね? 修も難しいですね、男でも女でもない相棒であり続けることで雛子にとって唯一無二の存在になれても自分が望むように好意を伝えることすらできなくなってしまう関係、一体どうするのが良いのか。いやまあお互いが心から望んで悩んで決めたことなら私も受け入れるしかないんですが。そりゃ凛子も側で見ていて嫉妬や憎悪を渦巻かせますよね、修を恨んでも良いものをそうできないから雛子に全ての矛先が向いてしまう。
ボス敵のグロテスクさもですが、思春期のほろ苦さやままならなさにホラーがミックスされてぞわぞわ感が天井知らずですよ。

妊婦をモチーフにした「クリーチャーを産み続けるクリーチャー」なんでしょうが、手帳の雛子コメントが怖いと言うか「自分がこんなバケモノになるなら死んだ方がマシ」というのがグロテスクな構図で……。父親の言いなりになる母親が嫌でたまらないとか勝手に成長する自分の体や周囲からの扱われ方とか、とにかく女というものに(戸惑い由来にも思えますが)嫌悪感を抱いているんでしょうか。自分がいつかそうなるかも知れないことを考えずに真っすぐ今の嫌悪をぶつけているようで、そういうのも思春期がきっかけの潔癖さなのかなと思うんですが、


急に話すようになるし悪い意味で三歩下がってついていく女っぽくて、そういう振る舞いや在り方を嫌っていた雛子が突然こうなるのがたまらなくグロテスクでした。雛子の認識は今どうなっているのか、こちらの世界の彼女は何を考えているのか、私には語ってくれないので想像するしかないのですが仕掛けは解かねばならないし敵は倒さねばなりません。
雛子は本当にこれでいいんだよね……?

もともとの自分と、二次性徴や思春期を経て周りから与えられ押し付けられていた感のある女という属性の自分ですが、裏世界の雛子は後から芽生えてきた女の自分+狐に魅入られてしまった感じでしょうか。異世界、異物、そういった後からやってきた何かが内側から自分を支配してきたり自分になり代わっていくような不気味さを感じます。
子供のころからの連続した自己の認識と、あの年頃から急に起こる自分の心身や周囲の変化とのギャップであったり戸惑いや嫌悪感であったり、うっすら私にも覚えがあるものなので雛子が手帳に書き込む言葉に共感する部分もあり、それだけに裏世界で従順になっていく雛子に何とも言えない不気味さを感じて「怖い、気味が悪い」が何層にも重なっている感覚です。
とにかく今は敵をぶん殴って生を実感したい、細かいことはいいからただ生きるために暴れたい。